未来を予測するシンクタンクのリサーチャーコラム

グローバル・インテリジェンス・ユニットのリサーチャーのコラム。国内外で重要と思われるトピックをテキストまたは動画でお届けします。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

エジプト勢の高速鉄道建設が始動 新首都は砂漠に花開くか(IISIA研究員レポート Vol.25)

エジプト勢がドイツ勢のシーメンス社との間で高速鉄道路線のためのMOUに署名した(参考)。 この高速鉄道はカイロの東の砂漠に建設中の新しい首都、そして新アラメイン、紅海のアインソフナを通る460キロメートルにわたる区間で建設が開始され、2年以内の完…

「トルマ」の戦い ~「食」を巡る地政学的リスク~

フランスの権威あるガストロノミーガイド「ミシュラン」が新たな目的地としてモスクワを対象にすることを発表した(参考)。近年モスクワのレストランが「再生(ルネサンス)」を果たしたからだというのが理由だ。モスクワ市長はこの発表を受けて歓迎の意を…

華麗なるアートのパラレルワールド

コロナ禍で増加した意外なものがある。 オランダの複数の博物館でナチス関連展示品の盗難が増加し、警備をさらに強化しなければならない事態となった(参考)。ヒトラー政権が第二次世界大戦中に獲得した「戦利品」の需要は世界的に高い。 米連邦捜査局(FBI…

「無人」は正義となり得るか?ーパンデミック後のドローンの行方

昨年(2020年)末、米政府が人権侵害を理由としてドローン最大手の中国企業「大疆創新科技(DJI)」に制裁を発動する旨報道された(参考記事)。DJIが世界の商用ドローン市場シェアに占める割合は70~80パーセントに達している。 DJI社製のドローンはGPSによ…

在宅需要で「ジャム」が人気?

(画像=PIXTA) 今年(2020年)は新型コロナウイルスが私たちの生活に様々な変化をもたらした。4月の緊急事態宣言の際にはいわゆる「宅飲み」「オンライン飲み会」がトレンドとなったことは記憶に新しい。 しかし実は在宅ワークの普及はより健康的な習慣ももたら…

スパイ大作戦「コロナ」の転身 ~地球の謎に挑む~ (IISIA研究員レポート Vol.24)

去る1995年2月24日ビル・クリントン米元大統領が大統領令に署名した。 米国勢の第一世代「写真偵察衛星(photo-reconnaissance satellites)」、コードネーム「コロナ(CORONA)」等と名付けられたシステムが収集した画像情報の機密解除の指示である。 去る1…

超音速ミサイル「ツィルコン」がもたらす未来

ロシア勢が「ツィルコン」の試験発射を行った(参考記事 )。 「ツィルコン」とは超音速ミサイルでその速度はマッハ8(時速1万キロメートル前後)以上の速度で飛行するという。ロシア勢による超音速ミサイルの試験発射は今年(2020年)に入り少なくとも3回目…

高専が日本の未来を担う IT都市の特徴とは?(IISIA研究員レポート Vol.23)

エストニア勢は「電子国家」としてよく知られている。 エストニア勢では「e-レジデンシー」と呼ばれる制度があり、エストニア勢に居住しておらずともヴァーチャル市民の権利を取得してオンラインで会社の設立や経営が可能となっている。 コロナ禍におけるコ…

掌のコンゴ ~遥かなる国と日本の意外な関係~ (IISIA研究員レポート Vol.22)

米国勢が10年ぶりにコンゴ民主共和国勢(以下、コンゴ勢)との貿易協定を復活させる(参考)。コンゴ勢は再び関税なしで米国勢に輸出できるようになる。 第二次世界大戦中に広島と長崎に投下された原爆のウランの供給源がコンゴ勢であったことはあまり知られ…

「塗る」太陽電池 ~日本人の発明が世界の救世主となるか

菅義偉首相は去る10月26日に行われた首相就任後初めての所信就任演説で「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と述べた(参考記事)。具体的な目標年度を設定して温室効…