未来を予測するシンクタンクのリサーチャーコラム

グローバル・インテリジェンス・ユニットのリサーチャーのコラム。国内外で重要と思われるトピックをテキストまたは動画でお届けします。

未来の「潮目」を予測分析する(IISIA研究員レポート Vol.33)

弊研究所が提供している会員制サーヴィスの一つである「Mr.潮目」は向こう100日間の「株価」やその他の銘柄(ドル円、金、原油など)の動きや転換点を予測分析するものだ。 過去250日間の価格の変動データからその銘柄が持つリズムを数量化・可視化するツー…

海に眠るニッケルは我が国の救世主となるのか?

中国勢の青山集団(Tsingshan)が自動車メーカーに安価でクリーンなニッケルを供給するという計画を公表した(参考)。 (図表:ニッケル) (出典:Wikipedia) ニッケルは電気自動車(EV)に使われるリチウム電池の原料であり、EV車の普及に向けニッケルの需要…

エボラ出血熱”再燃”とワクチン開発の闇(IISIA研究員レポート Vol.32) ブログ

ギニア勢においてエボラ出血熱が発生している。 これまでに少なくとも18人が発症、9人が死亡しているという。 エボラ出血熱と言えば去る2013年から2016年の間にリベリアやシエラレオネをはじめとして西アフリカで1万人以上の死者を出した流行は記憶に新しい…

世界規模で過熱する「アボカド市場」の光と陰

国際マーケットにおける価値の高さからアボカドは「グリーン・ゴールド(緑色の金)」とも呼ばれている。 世界のアボカド市場規模は昨年(2020年)パンデミックの影響によって140億ドルにとどまったものの今年(2021年)は190億ドルまで回復し、来る2027年に…

CBD(カンナビヂオール)が「市民権」を得る日 (IISIA研究員レポート Vol.31)

フランス勢において「大麻」(cannabis)入りワインが登場し、ちょっとした物議を醸している。 ボルドー在住で28歳の起業家ラファエル・ドゥ・パブロ(Raphaël De Pablo)が作った「Burdi W」というワインである。「大麻」由来のリラックス効果のある「CBD(…

拡大するキャビア市場に我が国が躍り出る日

中国でキャビアの生産量シェアが急増している旨報道されている。中国では2003年ごろからチョウザメの養殖が開始され、現在では世界のチョウザメ養殖場の半分以上、キャビア生産量の30パーセント以上を同国が占めている(参考)。 (図表:キャビア) (出典:Wi…

知られざるマイクロ波の世界―殺人光線か次世代エネルギーか?(IISIA研究員レポート Vol.30)

米国勢の中央情報局(CIA)が昨年(2020年)末にマイクロ波攻撃の疑いに対処するためのタスクフォースを開始した旨“喧伝”されている(参考)。 (図表:マイクロ波を利用した多重無線通信設備) (出典:Wikipedia) マイクロ波を人体に対して照射すると不安や恐…

紫のダイヤを追え ~アフター・コロナのダイヤモンド市場~

ピレネー山脈をまたいだ2つの国による1年に及ぶ追跡だった。 スペインとフランスの警察当局が希少な「紫」のダイヤモンドを盗んだ宝石泥棒と詐欺師の一団を逮捕した(参考)。 捜査は昨年(2020年)1月に始まった。スペイン・バルセロナで約1800万ドルの価値…

紫のダイヤを追え ~アフター・コロナのダイヤモンド市場~

ピレネー山脈をまたいだ2つの国による1年に及ぶ追跡だった。 スペインとフランスの警察当局が希少な「紫」のダイヤモンドを盗んだ宝石泥棒と詐欺師の一団を逮捕した(参考)。 捜査は昨年(2020年)1月に始まった。スペイン・バルセロナで約1800万ドルの価値…

宇宙からの電波を奪え!電波望遠鏡で引き裂かれる世界 (IISIA研究員レポート Vol.29)

来る夏(2021年夏)から南半球で世界最大級の電波望遠鏡の建設が開始される。 SKA(Square Kilometre Array)プロジェクトである。「平方キロメートル配列」を意味する国際的な政府間の取り組みだ。単一の望遠鏡ではなく「配列(アレイ)」と呼ばれる望遠鏡…

宇宙からの電波を奪え!電波望遠鏡で引き裂かれる世界 (IISIA研究員レポート Vol.29)

来る夏(2021年夏)から南半球で世界最大級の電波望遠鏡の建設が開始される。 SKA(Square Kilometre Array)プロジェクトである。「平方キロメートル配列」を意味する国際的な政府間の取り組みだ。単一の望遠鏡ではなく「配列(アレイ)」と呼ばれる望遠鏡…

パンデミックで開花? カーシェアと「サクラノミクス」

3月を前に待ち遠しくなるのが桜だろう。 我が国の国花であり、平安時代以降「花」と言えば「桜」を意味するまでに人々に愛される花である。 古来人々は桜の開花を待ち焦がれ、花を楽しみ、そして散るのを惜しんだ。 「花は桜木、人は武士」 これは桜の散り際…

炭酸飲料がコロナで消える日―ドライアイス争奪戦が始まった―

我が国の厚生労働省が先月(1月)15日、新型コロナウイルスに対するワクチンの接種及び供給体制について明らかにした(参考)。我が国政府は年内に7200万人分のワクチン供給を受けることで米ファイザー社と契約したが、同社のワクチンはマイナス75度前後での…

熱狂の仮想通貨-イーサリアムの死角-(IISIA研究員レポート Vol.28)

暗号通貨(仮想通貨)ビットコイン(BTC:Bitcoin)に続きイーサリアム(ETH:Ethereum)の価格が高騰している。 今月(2021年2月)2日に初めて1500ドル(約15万8000円)を突破してから2週間余りで2000ドル(約21万1670円)を突破した(18日朝)。 (図表:イ…

コロナ特需?「精密栄養学」の個人データベース市場 (IISIA研究員レポート Vol.27)

来る2023年に「栄養学」の転機となるかもしれない大規模研究が開始されるのだという。 米国立衛生研究所(NIH)が1億5,600万ドルを費やし5年間で1万人の米国人を対象に食べ物がどのように消化されているのかを調査する。 これまで「曖昧(fuzzy)」だと言われ…

タバコと麻薬、そしてCOVID-19 ―パンデミック下の秘やかな攻防戦―(IISIA研究員レポート Vol.26)

昨年(2020年)以来の新型コロナウイルスによるパンデミックの中で全世界的な消費の現象が起こっている。そんな中で米国勢において消費が増加していると報じられたのが「可燃性タバコ」である。 米国勢においては新型コロナウイルスの感染拡大に伴い断続的に…

ブルーベリーはパンデミックに対抗する切り札になるのか?

「ブルーベリーがコロナウイルスを無害化する」という研究結果が発表された。宮崎大学医学部の森下和広教授らのチームによる研究で県産ブルーベリーの茎と葉から抽出した成分に新型コロナウイルスを無害化する抗ウイルス作用があることを確認したというもの…

花の「冷蔵庫」―止まらないフラワー・ロスを救え!

あと1週間ほどでやってくるバレンタイン。 昨年(2020年)で10年目を迎えた取り組みとして、農林水産省が後押しする「フラワー・バレンタイン」があるのをご存知だろうか。 (図表:クラッチブーケ) (出典:Wikipedia) 切り花の月別支出額は卒業式、クリ…

議長国がイタリアなのは何故か? ~B20 Italy 2021報告~

去る1月21日にB20が正式に開幕した。B20とは「G20ビジネス・サミット」のことだ。我が国における知名度はそれほど高くはないものの主要な多国籍企業の経営トップを含むG20諸国から1,000名以上の企業コミュニティの代表が参加する。G20首脳たちが議論すべき政…

エジプト勢の高速鉄道建設が始動 新首都は砂漠に花開くか(IISIA研究員レポート Vol.25)

エジプト勢がドイツ勢のシーメンス社との間で高速鉄道路線のためのMOUに署名した(参考)。 この高速鉄道はカイロの東の砂漠に建設中の新しい首都、そして新アラメイン、紅海のアインソフナを通る460キロメートルにわたる区間で建設が開始され、2年以内の完…

「トルマ」の戦い ~「食」を巡る地政学的リスク~

フランスの権威あるガストロノミーガイド「ミシュラン」が新たな目的地としてモスクワを対象にすることを発表した(参考)。近年モスクワのレストランが「再生(ルネサンス)」を果たしたからだというのが理由だ。モスクワ市長はこの発表を受けて歓迎の意を…

華麗なるアートのパラレルワールド

コロナ禍で増加した意外なものがある。 オランダの複数の博物館でナチス関連展示品の盗難が増加し、警備をさらに強化しなければならない事態となった(参考)。ヒトラー政権が第二次世界大戦中に獲得した「戦利品」の需要は世界的に高い。 米連邦捜査局(FBI…

「無人」は正義となり得るか?ーパンデミック後のドローンの行方

昨年(2020年)末、米政府が人権侵害を理由としてドローン最大手の中国企業「大疆創新科技(DJI)」に制裁を発動する旨報道された(参考記事)。DJIが世界の商用ドローン市場シェアに占める割合は70~80パーセントに達している。 DJI社製のドローンはGPSによ…

在宅需要で「ジャム」が人気?

(画像=PIXTA) 今年(2020年)は新型コロナウイルスが私たちの生活に様々な変化をもたらした。4月の緊急事態宣言の際にはいわゆる「宅飲み」「オンライン飲み会」がトレンドとなったことは記憶に新しい。 しかし実は在宅ワークの普及はより健康的な習慣ももたら…

スパイ大作戦「コロナ」の転身 ~地球の謎に挑む~ (IISIA研究員レポート Vol.24)

去る1995年2月24日ビル・クリントン米元大統領が大統領令に署名した。 米国勢の第一世代「写真偵察衛星(photo-reconnaissance satellites)」、コードネーム「コロナ(CORONA)」等と名付けられたシステムが収集した画像情報の機密解除の指示である。 去る1…

超音速ミサイル「ツィルコン」がもたらす未来

ロシア勢が「ツィルコン」の試験発射を行った(参考記事 )。 「ツィルコン」とは超音速ミサイルでその速度はマッハ8(時速1万キロメートル前後)以上の速度で飛行するという。ロシア勢による超音速ミサイルの試験発射は今年(2020年)に入り少なくとも3回目…

高専が日本の未来を担う IT都市の特徴とは?(IISIA研究員レポート Vol.23)

エストニア勢は「電子国家」としてよく知られている。 エストニア勢では「e-レジデンシー」と呼ばれる制度があり、エストニア勢に居住しておらずともヴァーチャル市民の権利を取得してオンラインで会社の設立や経営が可能となっている。 コロナ禍におけるコ…

掌のコンゴ ~遥かなる国と日本の意外な関係~ (IISIA研究員レポート Vol.22)

米国勢が10年ぶりにコンゴ民主共和国勢(以下、コンゴ勢)との貿易協定を復活させる(参考)。コンゴ勢は再び関税なしで米国勢に輸出できるようになる。 第二次世界大戦中に広島と長崎に投下された原爆のウランの供給源がコンゴ勢であったことはあまり知られ…

「塗る」太陽電池 ~日本人の発明が世界の救世主となるか

菅義偉首相は去る10月26日に行われた首相就任後初めての所信就任演説で「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と述べた(参考記事)。具体的な目標年度を設定して温室効…

なぜ今、アフリカの角「ジブチ」が注目なのか!?

弊研究所のマンスリー・レポート等を執筆している研究員が、それぞれの研究テーマを踏まえ、研究員の視点から皆様に最新の情報をご提供いたします。 今回のテーマは アフリカの角「ジブチ」! です!